米国・ORBIC社は、商標:Orbicの使用が出来なかった事から、進出していた日本市場から撤退

 連休の21日に逗子・沼間から乳頭山を経て葉山・仙元山に至る三浦アルプスを縦走しました。三浦アルプスも沼津アルプスも共に低山ですがアップ・ダウンが有り、冬場の訓練には打って付けのコースです。乳頭山では、今夏に南アルプス・北岳を目指していると言う女性グループと遭遇しました。三浦アルプスで訓練との事です。このコースは、猪が居ても、熊が居りませんので、安心して歩けます。
 終点の仙元山からは、写真の通り、相模湾・伊豆半島に沈む綺麗な夕日を眺める事が出来ました。疲れても楽しい一日でした。

 米Orbic社が、業務用ソフトウェア「OBIC7」を取り扱っている株式会社オービックとの商標訴訟に敗訴して日本市場から撤退と報道されているようです。法人登記も抹消とか…

 2006年にニューヨークで創業した同社は、Samsung ElectronicsAppleMotorolaに次ぐ4番目のメーカーで、世界各地に拠点を持ち、2023年に日本市場への進出を発表しました。しかし、その直後から株式会社オービックとの間で商標に関するトラブルに直面した模様です。

 「オービック(OBIC)」と「Japan Orbic」「Orbic」との間で誤認・混同が起きるとの事です。

 「OBIC」だけなら未だしも、「Orbic」も発音は「オービック」ですからね。

 こんな初歩的なミスを米国の会社でも遣らかすのですね。

 思い起こすのは、米Apple社が商標「iPhone」の使用料としてアイホン株式会社に数億円/年を支払っている事です。

 これに倣って、米Orbic社は、日本オービック社との間に直接的なバッテイングはなさそうなので、使用料の支払いで和解する事は考えなかったのでしょうか。それとも使用料を支払う程の利益が出ないと考えたのでしょうか。

 たかが商標されど商標ですね。

特許庁は知的財産高等裁判所の判決を受けて商品と役務との類否判断を変更するか?

令和6年(行ケ)第10056号 審決取消請求事件

 元旦は箱根・金時山を歩き、二日は沼津アルプスを歩き、三日は伊豆大仁・城山~発端丈山を歩き、令和7年の正月・三が日は山登りの健康三昧な毎日でした。金時山からは富士山を望めませんでしたが、沼津アルプスや発端丈山からは見事な富士山を望む事ができました。さすがに日本一の山です。

 さて、知的財産高等裁判所第3部は、商品「A」と役務「商品Aの貸与」とが類似する旨の判決を下しました(令和6年(行ケ)第10056号 審決取消請求事件(令和7年12月1日判決言渡))。

 この判決を受けて、特許庁は、商品「A」と役務「商品Aの貸与」とは、商品「A」の種類を問わず、全てにおいて、類似と判断するだろうか?

 建設機械や複写機などの事務用機器に関しては、商品と役務とは類似として取り扱っていたでしょうが、あらゆる商品について類似とするのかが興味津々です。

 宇高個人的には、知的財産高等裁判所の判決には、「でもなあ」と感じております。

第4 当裁判所の判断
1 取消事由1(商標法4条1項11号該当性に関する判断の誤り)について
(1)  本件指定役務と引用指定商品の類否について
ア 判断基準
 
ある商標の指定商品と他の商標の指定役務とが類似のものであるかどうかは、それらの商品及び役務が通常同一営業主により製造、販売又は提供されている等の事情により、それらの商品と役務に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の製造、販売又は提供に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあると認められる関係があるか否かによって判断するのが相当である(最高裁昭和33年(オ)第1104号同36年6月27日第三小法廷判決・民集15巻6号1730頁参照)。

イ 商品の販売と貸与に関する取引の実情
 
各項末尾に記載した証拠及び弁論の全趣旨によれば、建設機械の販売及び貸与に関する取引の実情として、以下の事実が認められる。
() 住友建機販売株式会社のウェブサイトには、同社が製造した建設機械に関し、「お客様サポート」の見出しの下、「SUPPORT 01」の箇所に、「購入サポート」と「レンタル」の両方の記載があり、「レンタル」の箇所には、「取扱拠点」に関する記載及び「レンタル機器補償制度について」の記載が存在する。また、住友建機販売株式会社の目的には、「建設機械、運搬機械の製造、販売、賃貸ならびにその部品の販売修理」が含まれている。(甲66の1・2、67)
……
ウ 検討
() 上記イに挙げた事実によれば、建設機械について、その製造業者又はその関連会社が、販売とともに貸与(レンタル)も行っているという取引の実情があると認められる……
() 商標法施行規則6条及び同規則別表によれば、「土木機械器具」が、商標法施行令2条及び同施行令別表による商品及び役務の区分の第7類「加工機械、原動機(陸上の乗物用のものを除く。)その他の機械」に属する商品とされており、建設機械は第7類に属する商品であると認められる。

 引用指定商品「生ゴミ処理機、液体肥料製造装置」も、第7類に属するものであるから、引用指定商品と建設機械は同じ第7類に属する商品である。

() 以上のとおり、引用指定商品と同じ第7類に属する建設機械について、その製造業者又はその関連会社が、販売とともに貸与(レンタル)も行っているという取引の実情がある。これに加え、複写機、プリンター等の出力機器や事務用機器等の商品を取り扱う会社においても、会社の目的に商品の販売と貸与の両方を挙げる会社が複数存在する(甲72~74。なお、被告も、会社の目的に「産業用機械器具の製造、販売及び賃貸」が含まれている[弁論の全趣旨]。)。機械に商標を使用する者がその機械の貸与も行っていることは、通常、特に意外なこととまではいえず、むしろ、予想し得る範疇のことといえる。また、本件指定役務の需要者は生ゴミ処理機を使用する者であり、引用指定商品の需要者も、その多くは、生ゴミ処理機を使用する者であると推認されるから、双方の需要者は多くの部分で共通する。

 これらの事情を考慮すれば、本件指定役務と引用指定商品に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の製造、販売又は提供に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあると認められる関係があるということができる。したがって、本件指定役務と引用指定商品は類似するものと認められる。

⑵ 本件商標と引用商標との比較
 本件商標は、「ゴミサー」の文字を標準文字で表してなる商標であり、引用商標も、「ゴミサー」の文字を標準文字で表してなる商標であるから、本件商標と引用商標は同一である。

⑶ 商標法4条1項11号該当性について
 上記⑴及び⑵のとおり、本件商標と引用商標は、商標が同一であり、かつ、本件指定役務と引用指定商品が類似しているから、本件商標は、その登録出願の日前の登録出願に係る他人の登録商標である引用商標と同一であって、その商標登録に係る指定商品に類似する役務について使用するものであり、本件商標は商標法4条1項11号に該当する。本件商標は、同法46条1項1号により無効にすべきこととなる。

⑷ 被告の主張に対する判断
 被告は、前記第3の1〔被告の主張〕のとおり、建設機械の業界と「生ゴミ処理機」の業界とでは、製品の特性、価格、主要な需要者層等の取引の実情が全く異なり、取引実態の異なる他の業界の事例は、本件指定役務と引用指定商品との類否判断の参考とならないなどと主張する。

 しかし、生ゴミ処理機の業界と建設機械の業界の間に相違点があるとしても、建設機械は、引用指定商品と同じ第7類「加工機械、原動機(陸上の乗物用のものを除く。)その他の機械」に属する商品であることからすれば、建設機械に関する取引の実情を考慮に入れることを不当とすることはできない。
 また、生ゴミ処理機の業界において、同一の商標がその商品と貸与の役務に使われても、同一営業主のものと誤認されるおそれがないほどに、製造、販売者と貸与者が明確に区別されて需要者に認識されていることを示すといえる証拠もない。

 したがって、被告の上記主張は採用することができず、その他、被告の主張する内容を検討しても、上記⑴ないし⑶の認定及び判断は左右されない。

⑸ 取消事由1に関する結論
 以上によれば、本件商標が商標法4条1項11号に該当するとは認められないとの本件審決の判断は誤りであり、取消事由1は理由がある。

2 結論
 以上のとおり、取消事由1は理由があり、本件審決にはこれを取り消すべき違法がある。

 よって、その余の争点について判断するまでもなく、原告の請求は理由があるからこれを認容することとして、主文のとおり判決する。

                 知的財産高等裁判所第3部

バッファローハードディスク事件(登録第1409214号意匠権侵害訴訟)

平成30年(ワ)第6029号  令和2年(ネ)第1492号

   主   文

1被告は,別紙物件目録記載の製品を製造し,販売し,輸出し,若しくは輸入し,又は販売の申出をしてはならない。
2被告は,別紙物件目録記載の製品を廃棄せよ。
3被告は,原告に対し,3528万1382円及び……支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

登録第1409214号意匠

被告製品

 第4 当裁判所(大阪地方裁判所第26民事部)の判断
1 争点1(本件意匠と被告意匠の類否)について
(1) 登録意匠とそれ以外の意匠との類否の判断は,需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行う(意匠法24条2項)。この判断に当たっては,両意匠の基本的構成態様及び具体的構成態様を全体的に観察するとともに,意匠に係る物品の用途や使用態様,公知意匠等を参酌して,需要者の最も注意を惹きやすい部分,すなわち要部を把握し,要部において両意匠の構成態様が共通するか否か,差異がある場合はその程度や需要者にとって美感を異にするものか否かを重視して,両意匠が全体として美感を共通にするか否かによって判断するのが相当である。
(2) 本件意匠の構成態様
  ……
 () プレートについて
 本件意匠の構成態様に含まれる「プレート」とは,より具体的かつ詳細には,その表面が別紙「本件意匠の図面」記載の平面図及び正面図において示される面をなすものであり,平面及び正面の表面部分と本体との間に溝部が設けられること(基本的構成態様(B3))によって,平面及び正面の表面部分側に,略全面に渡って一定の厚みで形成された薄い1枚の板状の部分であって,略全面に渡って平坦であるとともに,背面図,左側面図及び右側面図(さらに,本件意匠公報の各参考斜視図)から明らかなとおり,平面から正面へと繫がる角は側面視円弧状に湾曲している(基本的構成態様(C3)の前半部分)このプレート部分は,上記のような配置及び形状から,本件意匠を視認する者において本体や溝部とは明瞭に区別して把握されるものである。
 このことに鑑みると,プレート部分は,独立の構成として特定するのが相当であるとともに,本件意匠の骨格的な形態をなすものとして基本的構成態様に位置付けるべきである。

 しかし、宇高は、裁判官が指摘の斯の骨格的な形態には意匠の創作力が無い、即ち、意匠の要部に成り得ないと考えてます…

  ところで、両意匠の類否を、特許庁では如何に判断したでしょうか?
 意匠専門家による判断は、裁判官とは真逆でした。
 すなわち、裁判官は上記両意匠が類似(即ち、被告製品は本件意匠権を侵害)と判断したのに対して、意匠専門家である特許庁・審判官は
上記両意匠が非類似(即ち、被告製品は本件意匠権を侵害せず)と判断しました。
 

特許庁による判定2019-600019
【結論】
 イ号意匠の図面及びその説明により示された「データ記憶機」の意匠は,登録第1409214号意匠及びこれに類似する意匠の範囲に属しない。
【理由】
……
第4 当審の判断
……
イ 相違点の評価
 相違点2は,プレート部の前面部分における相違であり,プレート部の前面を1枚の平滑な面としたものであるか否かは,一見して気が付く相違であるし,開口部や切り欠き部の有無の相違は,操作性に関わる相違との印象をもたらすものであるから,相違点2が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
 相違点3は,前方下側の角部を湾曲面としたか否かの相違であるが,底面に回り込む部分の相違であるとしても,前面下端寄りの開口部や切り欠き部の有無の相違と共に目に入ってくる部分の相違であるから,相違点3が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
 相違点4は,側面視における溝の相違であるが,パネル状部分と上面,前面及び少し底面に回り込んだ所のプレート部との間に一条の溝を設けた本件登録意匠については,パネル状部分が側面を全体的に覆い,上面及び前面のプレート部が本体から飛び出しているように感じさせ,パネル状部分の四周に一条の溝を設けたイ号意匠については,ごく細い額状の枠体の中に,それより一回り小さなパネルが嵌め込まれているように感じさせ,両意匠は本体の側面視の形態が大きく異なるとの印象をもたらし,イ号意匠の上側の溝に一定間隔で設けた複数の凹部の有無の相違も加わって,相違点4が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
 相違点5は,左右両側面のパネル状部分における相違であるが,斜めの凹凸筋を設けたか否かの相違は,パネル状部分の全面に及ぶものであるから,一見して気が付く相違であり,通気口の有無の相違も加わって,相違点5が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
(3)両意匠の類否判断
 両意匠について意匠全体として総合的に観察した場合,両意匠は,意匠に係る物品は同一であるが,その形態については,上述の共通点及び相違点の評価に基づけば,共通点1ないし7を備えた形態は,両意匠に一定の共通感をもたらしているとしても,前面を1枚のプレート部としたか否かの相違及び前面における開口部や切り欠き部の有無の相違(相違点2),並びに前方下側の角部を湾曲面としたか否かの相違(相違点3)が相まって,前面の形態について異なる印象をもたらし,側面視の形態についても,溝の相違(相違点4)及びパネル状部分の相違(相違点5)が相まって異なる印象をもたらすものであり,この前面及び側面視の形態の相違が合わさって,需要者に異なる美感を起こさせるものである。
 したがって,両意匠は,類似するものではない。

 宇高も特許庁・審判官の判断の方が正しいと考えております。

 しかし、宇高は、意匠の類否に関する裁判所の判断(要部が似てれば類似の判断)を、今後は、積極的に利用して行くべきと考えております。

 意匠権も馬鹿には出来ないですね!

 

 

二重瞼(ふたえ瞼)特許権(特許第3277180号)侵害訴訟事件

平成30年()第4329号 損害賠償等請求事件(第1事件)

     同第23514号 損害賠償等請求事件(第2事件)

特許第3277180号

【請求項1】延伸可能でその延伸後にも弾性的な伸縮性を有する合成樹脂により形成した細いテープ状部材に、粘着剤を塗着することにより構成した
二重瞼形成用テープ。

【請求項9】延伸可能でその延伸後にも弾性的な伸縮性を有する合成樹脂により形成した糸状部材に粘着剤を塗着することにより構成した
二重瞼形成用糸。 

 出願時のクレイム
【請求項1】弾性的に伸縮する細いテープ状部材に粘着剤を塗着することにより構成した
二重瞼形成用テープ。
【請求項2】上記テープ状部材を、延伸可能でその延伸後に弾性的な伸縮性を有する合成樹脂により形成した請求項1の二重瞼形成用テープ。

吹き矢事件 令和3年(ネ)第10049号,同年(ネ)第10069号 特許権侵害差止等請求控訴事件,同附帯控訴事件(原審・東京地方裁判所平成31年(ワ)第2675号)

   上記図は、被告・株式会社トラストクルー製品の前面・側面・後面図です。


 平成31年(ワ)第2675号 特許権侵害差止等請求事件

      令和3年5月18日判決言渡   

   原告 株式会社ダイセイコー

   被告 株式会社トラストクルー

              判   決

1 被告は,別紙被告製品目録記載1及び2の各製品を製造し,譲渡し,輸入し,輸出し,譲渡の申出をし,又は譲渡のために展示してはならない。

2 被告は,前項の各製品及びその半製品(前項の各製品の構造を具備しているが製品として完成するに至らないもの)を廃棄せよ。

3 被告は,原告に対し,3596万0360円及びこれに対する令和2年6月25日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。

 第一審・東京地裁の裁判官は、均等論を持ち出すまでも無く、上記図の形状は楕円体と判断した。

 

令和3年(ネ)第10049号,同年(ネ)第10069号 特許権侵害差止等請求控訴事件,同附帯控訴事件(原審・東京地方裁判所平成31年(ワ)第2675号)

              判   決

1 原判決を取り消す。

2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。

 

 

 第2審・知財高裁の裁判官は、上記図の形状は楕円体ではない、かつ、均等論の第1要件および第3要件を充足しないから、均等侵害も成立しないと判断した。

特許第4910074号(原告・(株)ダイセイコー特許)

【背景技術】
 近年、矢を吹く際の呼吸が腹式呼吸であり健康によいという理由から、スポーツや娯楽としての吹矢が普及している。
 従来の矢24は、フィルム28の先端部に丸釘26が差し込まれた形状になっている。
 丸釘26は、頭部にカエシが形成されており、頭部には後方に向かって尖っている円柱部(軸部)が一体接続されている。このカエシの存在により、次の事象がしばしば生じている。
 的に刺さった矢を的から外すときに丸釘のピンだけ的に残ってフィルムだけ引き抜かれてしまう。

 そこで、下記請求項に記載の技術が発明された。
【請求項1】
  吹矢に使用する矢であって、
  球形である先端部と該先端部から後方に延びる円柱部とからなるピンであって、該円柱部の横断面の直径が前記球形の直径よりも小さいピンと、
  円錐形に巻かれたフィルムであって、先端部に前記ピンの円柱部すべてが差し込まれ固着されたフィルムと、
  からなり、
 前記フィルムの先端部に連続して前記ピンの球形の部分が錘として接続された矢。

【請求項2】
  吹矢に使用する矢であって、
  長手方向断面が楕円形である先端部と該先端部から後方に延びる円柱部とからなるピンであって、該円柱部の横断面の直径が前記楕円形の先端部の横断面の直径よりも小さいピンと、
  円錐形に巻かれたフィルムであって、先端部に前記ピンの円柱部すべてが差し込まれ固着されたフィルムと、
  からなり、
 前記フィルムの先端部に連続して前記ピンの楕円形の部分が錘として接続された矢。 

 本件発明は「カエシ」の無い事が特徴だから、
  宇高ならば、
 特許請求の範囲に記載の発明は、

(1)「カエシ」が無い形状の鏃。
(2)的に突き刺さる長さの位置までは「カエシ」が無い形状の鏃。
(3)的に突き刺さる長さの位置までの鏃の外形が関数f(x)で表される形状とした場合、
   f(x)の微分関数[d(f(x))/dx]が連続関数である鏃。
(4)的に突き刺さる長さの位置までの鏃の外形がなだらかな曲面である鏃。

 勿論、
(5)先端部が球形状(略球形状)の鏃。
(6)先端部が楕円体状(略楕円体状)の鏃。
(7)先端部が彗星(ほうき星)状の鏃。

も…
 そうすれば、特許権者・株式会社ダイセイコーは控訴審でも勝訴しただろう!

 それでは、何故、斯かるクレイムが作成できなかった?
 図面を描いてから、明細書を作成し、クレイムを作成したからではないだろうか?
 図面を先に描いた場合には、図面が、もう、内容を記載したと錯覚してしまう?
 
図面に囚われてしまう?

特許第6593737号(被告・(株)トラストクルー特許)

株式会社トラストクルーは、特許第4910074号発明の回避技術を発明して特許出願を行い、特許権を取得した。
【背景技術】
 特許文献(特許第4910074号)には、従来の矢を改良したものとして、先端部と該先端部から後方に延びる円柱部で構成されるピンにおいて、該先端部を球形に、あるいは長手方向断面を楕円状(俵形)に形成したものが提案されている。ピンの先端部の形状を球形または長手方向断面が楕円状(俵形)となるように形成した矢においては、矢の飛行時における空気抵抗が比較的大きく、矢が上下、左右方向にブレてしまい、その結果、矢の的への命中率が低下することになり、特に得点を僅差で争う吹矢競技の競技者にとっては看過できない問題となる。
 そこで、下記請求項に記載の技術(上記侵害訴訟品の製品)が発明された。
【請求項1】
  前部がドーム形で後部が略円錐形である涙滴形の先端部と該先端部の後部に延設してある円柱部とからなると共に、該円柱部の横断面の直径を上記先端部の横断面の直径の最大値よりも小さく形成してあるピンと、
  截頭円錐形に巻かれたフィルムとからなり、
  上記フィルムの截頭部に上記ピンの円柱部を差し込んで固着してあり、
  上記ピンは、その前後方向において、上記先端部を形成する涙滴形の前端から仮想上の尖端までの長さの、上記涙滴形の横断面の直径の最大値に対する割合が216~272%であり、かつ、上記涙滴形の前端から上記涙滴形の横断面の直径が最大である位置までの長さの、上記涙滴形の前端から仮想上の尖端までの長さに対する割合が14.7~23.1%であることを特徴とする吹矢用の矢。
【発明の効果】(a)本願の第1の発明では以下のような効果が得られる。
  (a-1)  上記ピンの先端部を涙滴形としているので、例えば、球形や長手方向断面が楕円状(俵形)の先端部を有する従来の矢よりも、矢の飛行中の空気抵抗を減少させることができ、また、矢の重心位置が矢の前寄りとなるため、矢の飛行中の上下、左右方向のブレが抑えられ、矢飛軌跡が直線に近付くことで、的への命中率が向上する。
  上記ピンの先端部を形成する涙滴形を、特定範囲に調整することにより、先端部を形成する涙滴形をより空気抵抗の少ない形状にして、重心位置を適切に前寄りとしてある。そのため、矢の飛行中のブレをより少なくして、矢飛軌跡をより直線に近づけることができるため、矢の的への命中率をより高めることができる。
  「涙滴形」は、前部が「ドーム形」で後部が「略円錐形」とされる。この「涙滴形」は、球形や楕円形と比べて空気や水の抵抗が小さいとされており、飛行船や潜水艦の形状として多く採用されている。 

 本件発明は出願当初から特許第4910074号の特許権者に対する侵害対策であった。
 宇高ならば、

   第1案
 【請求項1】

 先端部と該先端部の後部に延設してある円柱部とからなると共に、該円柱部の横断面の直径を上記先端部の横断面の直径の最大値よりも小さく形成してあるピンと、
  截頭円錐形に巻かれたフィルムとからなり、
  上記フィルムの截頭部に上記ピンの円柱部を差し込んで固着してなり、
 前記先端部は、
  曲面形状の前部と曲面形状の後部とを具備してなり、
  前記前部の前後方向における長さは、前記後部の前後方向における長さよりも、短く、
  前記前部の局面形状は後方に移るに従って拡がる形状であり、
  前記後部の局面形状は前方に移るに従って拡がる形状である(先端部の重心(最大径)は前部に存在:非楕円体)
吹矢用の矢。 

 第2案
 【請求項1】

 先端部と該先端部の後部に延設してある円柱部とからなると共に、該円柱部の横断面の直径を上記先端部の横断面の直径の最大値よりも小さく形成してあるピンと、
  截頭円錐形に巻かれたフィルムとからなり、
  上記フィルムの截頭部に上記ピンの円柱部を差し込んで固着してなり、
 前記先端部は、
  前記先端部の長さの1/2長さの曲面形状の前部と前記先端部の長さの1/2長さの曲面形状の後部とを具備し、
  前記先端部における最大径部が前記前部に存在し、
  前記前部の局面形状は、前記最大径部の個所まで後方に移るに従って拡がり、前記最大径部個所から後方に移るに従って狭まり、
  前記後部の局面形状は前方に移るに従って拡がる形状である
吹矢用の矢。

 すなわち、
「涙滴形」を用いない!
「楕円体」とは相違する形状を想起させる言葉を用いる! 

  宇高は、
 特許第6593737号発明において、「上記ピンは、その前後方向において、上記先端部を形成する涙滴形の前端から仮想上の尖端までの長さの、上記涙滴形の横断面の直径の最大値に対する割合が216~272%であり、かつ、上記涙滴形の前端から上記涙滴形の横断面の直径が最大である位置までの長さの、上記涙滴形の前端から仮想上の尖端までの長さに対する割合が14.7~23.1%」が記載されていなくても、
 特許は成立していたと考えている。

 なまじっか、斯かる記載が有った為に、本件特許発明のポイントがボケてしまい、一審では敗訴したのではないだろうか? 

 第3案
 【請求項1】

  前部がドーム形で後部が略円錐形である涙滴形の先端部と該先端部の後部に延設してある円柱部とからなると共に、該円柱部の横断面の直径を上記先端部の横断面の直径の最大値よりも小さく形成してあるピンと、
  截頭円錐形に巻かれたフィルムとからなり、
  上記フィルムの截頭部に上記ピンの円柱部を差し込んで固着してなる
吹矢用の矢。 

涙滴形」の言葉では「楕円形」との違いがもう一つ?
涙滴形」が「前部がドーム形で後部が略円錐形」ならば、「涙滴形」の記載は不要
「前部がドーム形で後部が略円錐形であって、更に涙滴形」の意味合いなのか?

金鳥(大日本除蟲菊株式会社)は特許第7026270号発明のポイントを正しく理解していた筈なのに、なぜ、敗訴?

その理由1.請求項の文章が長すぎた!⇒散漫になってしまった。

特許訴訟で勝訴の為の明細書を作成する為には

当所がセミナーで教えている特許請求の範囲・特許明細書の書き方を習っていたら、勝訴していたのになあ

 

大日本除蟲菊株式会社(金鳥)が、アース製薬株式会社に対して、特許第7026270号特許権を侵害されたとして訴えた特許権侵害訴訟

 特許第7026270号の特許発明の内容は次の通りでした。

【請求項1】
 害虫防除成分と有機溶剤とを含有するエアゾール原液、及び噴射剤を封入してなる定量噴射バルブが設けられた耐圧容器と、
 前記定量噴射バルブに接続される噴射口が設けられた噴射ボタンと、
を備えた蚊類防除用エアゾールであって、
 前記害虫防除成分は、メトフルトリン及び/又はトランスフルトリンであり、
 前記エアゾール原液は、前記害虫防除成分を14.3重量%以上含有し、
 前記噴射ボタンを1回押下したときの噴射容量が0.1~0.4mLとなり、
 前記噴射距離20cmにおける噴射力が25において0.3~10.0g・fとなるように調整され、
 前記エアゾール原液は、前記噴射口から、少なくとも一部が処理空間内における蚊類が止まる露出部に付着する付着性粒子として噴射され、
 前記エアゾール原液を処理空間に1回噴射した場合、前記害虫防除成分の噴射量が4.5~8畳あたり5.0~30mgに調整される蚊類防除用エアゾール(但し、自動噴霧装置本体に装着されてなる蚊類防除用エアゾールを除く)。 

 東京地裁は「付着性粒子」は、噴射から時間がたっても壁や床に付着した状態を維持し、蚊を駆除できるものを指すと捉えられると指摘し、付着の量などの確認方法の記載が見当たらず、特許の権利が及ぶ範囲が第三者からはっきりしないことから、第7026270号特許発明は「不明確で無効とされるべきだ」との判断を示したとの報道がなされております。

 しかし、仮に、明確性要件(特許法第36条第6項第2号)がクリアされたとしても、サポート要件(特許法第36条第6項第1号)違反で無効になったでしょうね。

 本件特許発明の明細書には下記の記載が有ります。
【0046】
  [付着性粒子]
 図1(b)に示されるように、エアゾール原液を処理空間に1回噴射すると、付着性粒子X、及び浮遊性粒子Yが形成される。図1(b)において、白丸で示されているものが付着性粒子Xであり、黒丸で示されているものが浮遊性粒子Yである。両者の粒子径は異なっており、付着性粒子Xの方が浮遊性粒子Yより大きな粒子径として形成される。付着性粒子Xの好ましい粒子径は、25、噴射距離15cmにおける体積積算分布での90%粒子径が20~80μである。この範囲であれば、エアゾール原液が処理空間に噴射された際、速やかに処理空間内の露出部に移動し、付着することができる。そのため、露出部に止まっている蚊類を付着性粒子Xの害虫防除成分によってノックダウン又は死滅させることができる。また、処理空間内に侵入し、露出部に止まろうとしている蚊類に対しても害虫防除効果を奏するため、処理空間外へ追い出すことも可能となる。粒子径が20μm未満であると、粒子径が小さすぎるため、露出部まで到達することが困難となり、その結果、露出部に止まっている、あるいは、止まろうとしている蚊類を防除することが困難となる。一方、粒子径が80μmを超えると、粒子径が大きすぎるため、付着性粒子の挙動をコントロールし難くなり、露出部に適切に付着させることが困難となる。付着性粒子Xのより好ましい粒子径は、25℃、噴射距離15cmにおける体積積算分布での90%粒子径25~70μmである。
【0047】
 また、付着性粒子Xの好ましい付着量は、処理空間内の露出部に1m当たり0.01~0.4mgであり、好ましくは、1m当たり0.05~0.2mgである。このような範囲であれば、露出部に止まっている蚊類を効果的にノックダウン又は死滅することができる。付着量が1m当たり0.01mg未満であると、露出部に止まっている蚊類に対し充分な防除効果を奏することができず、蚊類をノックダウン又は死滅させることが困難となる。一方、付着量が1m当たり0.4mgを超えても、害虫防除効果は大きく向上することはなく、また、エアゾール原液の使用量も過大となるため、経済的にも不利である。

 本件特許発明の発明者は、害虫防除成分を、空中に浮遊させるよりも、壁などに付着させた方が効果的である事に気付いて発明がなされた旨が記載されております。
 蚊だって、長時間ブンブン飛び交っていれば疲れるから、羽休みの為に、天井や壁に止まるのは当然ですよね。

 誰しも、判っていたでしょうが、気付いていなかった。
 発明者は発明のポイントに気付いていたのです。
 発明者は知恵ある方ですね。

 それなのに、どうして、上記請求項1の如きの権利にしてしまったのでしょう?

 本件発明は第4世代までの分割出願(特願2023-98264:特許第)が有り、この第4世代の分割出願も特許第7664969号として特許になっております。
 しかし、何れの特許にあっても、分割出願である以上、本件東京地裁の指摘事項は全く解消されず、無意味な特許権になってしまいました。

 宇高が本件発明を受任していたならば、取り敢えずは、次の請求項(特許発明)を提案しております。

 ポイントは、どのようにすれば壁に蚊類防除用薬剤成分を付着させられるか?
 その量はどの程度か?
 
焦点は薬剤の噴霧条件と薬剤の組成か?

【請求項1】
 蚊類が止まる露出部(室内の壁および/または天井)に害虫防除成分を付着させる蚊類防除方法。

【請求項2】
 害虫防除成分を含有するエアゾール原液が噴射されて前記害虫防除成分が蚊類が止まる露出部(室内の壁および/または天井)に付着させる蚊類防除方法。

【請求項3】
 蚊類が止まる露出部(室内の壁および/または天井)に害虫防除成分が付着してなる蚊類防除技術。

【請求項4】
 害虫防除成分を含有するエアゾール原液が噴射されて前記害虫防除成分が蚊類が止まる露出部(室内の壁および/または天井)に付着してなる蚊類防除技術。

【請求項5】
 蚊類防除用薬剤成分が室内の壁および/または天井に付着するように蚊類防除用薬剤成分含有組成物が室内で噴霧されて蚊類が防除される技術であって、噴霧粒子は25℃で噴射距離15cmにおける体積積算分布での90%粒子径が20μm以上である蚊類防除技術。
 この内容でも不明瞭の恐れが… 侵害確認が困難ではないだろうか?

【請求項6】
 噴霧粒子は25℃で噴射距離15cmにおける体積積算分布での90%粒子径が  μm以下である請求項5の蚊類防除技術。

【請求項7】
 蚊類防除用薬剤成分が室内の壁および/または天井に付着するように蚊類防除用薬剤成分含有組成物が室内で噴霧されて蚊類が防除される技術であって、噴霧された蚊類防除用薬剤成分含有組成物(蚊類防除用薬剤成分)の付着量が1m当たり0.01mg以上である蚊類防除技術。
 この内容では、侵害確認が困難ではないだろうか?

【請求項8】
 前記付着量が1m当たりXmg以下である請求項7の蚊類防除技術。
 権利化を図るには上限値が重要か?

【請求項9】
 害虫防除成分と難揮発性あるいは不揮発性の有機溶剤とを含有するエアゾール原液、及び噴射剤が封入されてなる耐圧容器を具備してなり、
 (前記エアゾール原液)/(前記噴射剤)が、容量比率で、10/90~50/50である
蚊類防除剤。
 この内容ならば、侵害確認は容易であろう。明確性要件も満たしているだろう。特許も認められたであろう。

【請求項10】
 害虫防除成分と有機溶剤とを含有するエアゾール原液、及び噴射剤が封入されてなる耐圧容器を具備してなり、
 (前記エアゾール原液)/(前記噴射剤)が、容量比率で、10/90~50/50であり、 前記エアゾール原液は粘着性(?)を有する
蚊類防除剤。
 
この内容ならば、侵害確認は容易であろう。明確性要件も満たしているだろう。特許も認められたであろう。
【請求項11】
 前記エアゾール原液はX社製の粘度計Yで測定条件Z下においての粘度が ~ である請求項9,10の蚊類防除剤。

【請求項12】
 前記有機溶剤は、炭素数が16(?)以上の化合物である請求項9,10の蚊類防除剤。

【請求項13】 前記有機溶剤は、    の群の中から選ばれる一種または二種異常である請求項9,10の蚊類防除剤。
【請求項14】
 前記耐圧容器の噴射ボタンを1回押下した際に、前記耐圧容器からの噴射容量が0.1~0.4mL、噴射距離20cmにおける噴射力が25℃において0.3~10.0g・fである請求項9,10の蚊類防除剤(?)。

 本件特許明細書には下記の記載が有った。
【0019】  本構成の蚊類防除用エアゾールによれば、エアゾール原液(a)と噴射剤(b)との容量比率(a/b)が上記の範囲である場合、噴射されるエアゾール原液より形成される付着性粒子が最適な状態となる。これにより、付着性粒子は確実に処理空間内の露出部に到達することができ、また、浮遊性粒子は人体やペットに影響を与えない程度の量で処理空間を浮遊することができる。

 宇高の想像では、噴射剤が少な過ぎると、エアゾール原液を遠くまで飛ばせず、噴射剤が多すぎると、粒子が小さくなり、軽くなって、やはり、エアゾール原液を遠くまで飛ばせない。その結果、壁にエアゾール原液の液滴を付着させ難いのであろうか?。

【0021】  本構成の蚊類防除用エアゾールによれば、有機溶剤は、高級脂肪酸エステル、及びアルコール類からなる群から選択される少なくとも1種である。このような有機溶剤を使用することで、各成分の効果を効率良く発揮させることができる。また、エアゾール原液を噴射した場合、付着性粒子をバランスよく形成することができ、蚊類に対する防除効果が安定したものとなる。

 宇高の想像であるが、高級脂肪酸エステル・アルコールは難揮発性・粘着性を有するのであろうか?。その結果、エアゾール原液が壁に付着しやすく、飛散・揮散し難い。 

【請求項15】
 害虫防除成分を含有するエアゾール原液が噴射されて前記害虫防除成分が蚊類が止まる露出部(室内の壁および/または天井)に付着する方法であって、
 害虫防除成分と炭素数の総数が16(?)以上の有機溶剤とを含有するエアゾール原液、及び噴射剤が封入されてなる耐圧容器を具備してなり、
 (前記エアゾール原液)/(前記噴射剤)が、容量比率で、10/90~50/50であり、
  噴射ボタンを1回押下した際に、前記耐圧容器からの噴射容量が0.1~0.4mL、噴射距離20cmにおける噴射力が25℃において0.3~10.0g・fである
蚊類防除方法。
【請求項16】
 害虫防除成分と有機溶剤とを含有するエアゾール原液、及び噴射剤を封入してなる定量噴射バルブが設けられた耐圧容器と、前記定量噴射バルブに接続される噴射口が設けられた噴射ボタンとを具備してなり、前記害虫防除成分はメトフルトリン及び/またはトランスフルトリンであり、前記エアゾール原液は、前記害虫防除成分を14.3重量%以上含有し、前記エアゾール原液が前記噴射口から噴射されて前記害虫防除成分が蚊類が止まる露出部(壁および/または天井)に付着してなる蚊類防除技術。

【請求項n】
 付着量は、25mの部屋での蚊成虫に対する防除効果(閉めきった25mの部屋の中央で蚊類防除用エアゾールを1回噴射した直後にアカイエカ雌成虫50匹を放ち、20時間(?)暴露させた後で供試蚊を回収した。時間経過に伴い落下仰転したアカイエカ雌成虫を数え、KT50値を求めた。)が〇〇以下である請求項 ~ の蚊類防除技術。

  もちろん、明細書中には、「粒子径の測定方法」、「蚊類防除用薬剤成分含有組成物(蚊類防除用薬剤成分)の付着量の測定方法」を記載してます。測定方法の違いによって測定値の値が異なるので、測定方法の明記は必須です。それから、請求項に記載の文章が短ければ、誰しも測定方法を記載しておく事に気付きます。宇高の特許明細書の書き方を参考にしてれば、測定方法の記載は当たり前です… 

 残念な事に、本件特許発明のポイントを分散させた(請求項1に記載の文章が長すぎた)為に、即ち、特許発明を的確に記載しなかった為に、害虫防除を効果的に奏させる為の付着量や粒径の測定方法にまで気を向けられなかったのかと想像しております

 

 

 

役に立つ特許は当たり前じゃあないかと謂われる発明

 下記の事例は斯の程度の発明でも特許出願したフィリップモリス社の知恵の賜物と宇高は考えてます。

 フィリップモリス社が所有する加熱式タバコの特許第6125008号の権利は下記の内容です。

【請求項1】
 
エアロゾル発生装置におけるエアロゾルの発生を制御する方法であって、前記装置は、
  エアロゾル形成体を含むエアロゾル形成基材を加熱するように構成された少なくとも1つの加熱要素を含むヒータと、
 前記加熱要素に電力を供給するための電源と、
を備え、
 前記方法は、
  前記加熱要素に供給される前記電力を、前記装置を動作させた直後の第1段階において前記加熱要素の温度が初期温度から第1の温度に上昇するように電力が前記少なくとも1つの加熱要素に供給され、第2段階において前記加熱要素の温度が前記第1の温度よりも低い第2の温度に低下するが、前記エアロゾル形成体の揮発温度より低くならないように電力が供給され、第3段階において前記加熱要素の温度が前記第2の温度より高い第3の温度に上昇するように電力が供給されるよう制御するステップを含む、
ことを特徴とする方法。

 要約すると、
  タバコ吸い始め開始時は、加熱温度を急激に高くし、
  タバコが吸えるようになると加熱温度を低くし、
  終わり近くになると加熱温度を再度高くするものです。

 これは当然です。

 早く吸いたいから、加熱温度を高くして揮発成分を速やかに揮発させます。

 吸えるようになると、そのままの高い温度だと、揮発成分が短時間で揮発して無くなってしまうので、長時間に亘って吸う為には、加熱温度を下げる必要が有ります。下げても予熱されているから揮発成分は揮発します。

 吸い終わり近くになると、揮発成分が少なくなっているので、加熱温度を高くして、強制的に全てを揮発させます。

 こうすると、効率よく、かつ、無駄なくタバコが吸えるようになります。

  是は当たり前の技術と言えば当たり前

  この程度で特許?と言いたくなるのは当然でしょう。

 ライバル会社は特許無効を請求して争いましたが負けました。

 フィリップモリス社は東京地裁に訴えを提起(令和2年(ワ)第4331号特許権侵害行為差止請求事件および令和2年(ワ)第4332号特許権侵害行為差止請求事件)しました。

 一審で負けた被告は知財高裁に控訴(令和3年(ネ)第10072号特許権侵害行為差止請求控訴事件、令和4年(ネ)第10073号および同年(ネ)第10096号特許権侵害行為差止請求控訴事件)しました。

 最終的に、令和4年5月13日、令和5年3月23日判決言渡で、控訴審でも、フィリップモリス社の勝訴です。

 

 フィリップモリス社のMarlbroMan Always Remember Love Because Of Romance Over)の箱にはモットーveni-vidi-vici(来た、見た、勝った):ポントスに勝利した際に、カエサルがローマ元老院に送った際の報告」が表示されております。今回の事件もモットー通りだったようです。

 東京地裁の判決と知財高裁の判決とは、証拠資料を同じくするも、結果は真逆です。

 訴訟では、原告と被告との間での戦いですが、ターゲットは裁判官です。

 裁判官をより納得させる論理を構築した者が勝訴です。

 

 上記商標の商標権者である原告が、被告が電子掲示板に「2ちゃんねる」「2ch.net」の表示をする事は上記各商標権を侵害すると主張して、商標法第36条第1項又は不正競争防止法第3条第1項に基づき、被告標章の使用の差止め、及び商標権侵害につき民法709条,不正競争行為につき不正競争防止法第4条に基づき損害賠償1億7500万円及び平成29年1月19日から被告標章の使用を中止するまで月額500万円の割合による金員の支払を求めた事案です。

 

 一審・東京地裁の判決が

「1 本件訴えのうち,令和元年11月2日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えを却下する。

 2 被告は,その運営する掲示板に,別紙被告標章目録記載の各標章を使用してはならない。

 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。」

であったのに対して、

 二審・知財高裁の判決は

「1 控訴人の本件控訴に基づき、原判決主文3項を次のとおり変更する。

  (1) 被控訴人は、控訴人に対し、2億1700万円を支払え。

  (2) 控訴人の損害賠償請求のうち令和元年11月1日までに生ずべき損害賠償金の支払を求める部分のその余の請求及び「2ch.net」のドメイン名の使用の差止めを求める控訴人の請求をいずれも棄却する。

 2 被控訴人の附帯控訴に基づき、原判決主文2項を取り消し、同項に係る控訴人の請求を棄却する。」

でした。

 

 

平成29年(ワ)第3428号 商標権侵害差止等請求事件

 【東京地方裁判所民事第46部における判決】

    主 文

1 本件訴えのうち,令和元年11月2日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えを却下する。

2 被告は,その運営する掲示板に,別紙被告標章目録記載の各標章を使用してはならない。

3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。

 

(2) 争点1-2(被告は被告標章について先使用権を有するか)について

  (被告の主張)

  被告は,平成16年から平成29年9月30日まで,継続して本件電子掲示板を管理・運営し,不正競争の目的によることなく,原告による原告商標の出願日以前から被告標章を使用していた。

 また,本件電子掲示板の事業において,被告標章は,原告商標の出願以前から需要者の間に広く認識されており,周知であった。

 したがって,被告には,被告標章1及び2につき先使用権が認められる。

  (原告の主張)

 平成11年以降平成26年2月19日まで,本件電子掲示板を運営していたのは原告である。上記期間,原告は,被告に対し,本件電子掲示板のサーバのID・パスワードの管理と本件ドメイン名の管理を委託していたにすぎない。本件電子掲示板を平成16年から運営している旨の被告の主張は,本件電子掲示板の運営主体という極めて基本的事項について主張が変遷しており,信用できない。

 また,原告商標1及び2の出願当時において,被告標章1及び2が被告の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていなかったことは明らかである。

 さらに,被告は,平成26年2月19日に原告が本件電子掲示板のサーバにアクセスできないようにして本件電子掲示板を乗っ取ったのであるから,「不正競争の目的」(商標法32条1項前段)が認められる。

 したがって,被告には,被告標章1及び2につき先使用権は認められない。

 

第3 当裁判所の判断

 ……

 争点1-2(被告は被告標章について先使用権を有するか)について

 被告は,原告商標の出願日の前から,被告標章を使用して本件電子掲示板を管理・運営していたとし,被告標章につき先使用権を有する旨主張する。

 前提事実2⑷及び前記2のとおり,原告商標1及び2の指定役務と本件電子掲示板の役務は同一であり,被告標章は原告商標と,それぞれ同一又は類似する。

 前記認定事実によれば,本件電子掲示板は,①平成11年に開設され,平成12年に西鉄バスジャック事件の犯人とされる少年が同掲示板に犯行予告を書き込むなどの出来事もあって社会的に注目を集めるようになり,平成14年頃には利用者が急激に増加し(前記2⑵ア,ウ,エ),②平成16年及び平成17年には本件電子掲示板に掲載された投稿をほぼそのまま出版した「電車男」が話題となり,インターネットに係る複数の賞を受賞し,これがネットニュースで報道され(前記2⑵カ),③平成18年頃には,本件電子掲示板の名称である「2ちゃんねる」という言葉がマスコミにおいて頻繁に登場したり,本件電子掲示板内において使用される用語が一般の雑誌においても使われたり,電子掲示板を利用しない一般人の間でも本件電子掲示板が話題に上ったりするようになった(前記2⑵キ)。

 これらによれば,本件電子掲示板のトップページ等に表示されていた被告標章1及び2は,遅くとも,平成18年には,本件電子掲示板に係る役務を表示するものとして,全国の需要者の間に広く認識されるに至ったと認めることができる。そして,平成25年3月当時,本件電子掲示板の月間の閲覧数が29億にのぼるとして「日本語圏最大級のネットコミュニティ」などと宣伝されていたことに照らせば(前記2⑵ス),原告商標が出願された日においても,上記周知性が維持,継続していたものと認められる。

 ……

 以上によれば,被告は,被告標章につき先使用権を有すると認められ,平成26年2月19日から,被告が継続して本件電子掲示板を運営していた平成29年9月30日までの期間については(前記前提事実⑸),被告による被告標章の使用は,同先使用権に基づくものとして原告商を侵害しない。

 また,前記2⑵ツによれば,本件電子掲示板は,平成29年10月1日から平成30年4月までの間に Loki 社が運営するようになり,名称は「5ちゃんねる」と,ドメイン名は「https://5ch.net」と変更され,トップページ等における被告標章の表示も削除されたことが認められる。そうすると,平成29年10月1日以降,被告が本件電子掲示板を運営し,被告標章の使用を継続していた期間については,その使用は先使用権に基づくものとして原告商標を侵害しないといえ,Loki 社が運営を開始して以降は,被告が被告標章を本件電子掲示板のトップページ等に表示して使用した事実は認められない。

 したがって,原告の商標権に基づく損害賠償請求には理由がない。なお,

原告商標1及び2に基づく差止めの必要性については,後記6のとおりであ

る。

……

8 結論

 よって,本件訴えのうち令和元年11月2日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えは不適法であるから却下し,商標権に基づく被告標章の差止請求には理由があるからこれを認容し,その余の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,仮執行宣言は相当でないのでこれを付さないこととして,主文のとおり判決する。

 

 

令和2年(ネ)第10009号、同年(ネ)第10037号 商標権侵害差止等請求控訴事件、同附帯控訴事件(原審・東京地方裁判所平成29年(ワ)第3428号)

 【知的財産高等裁判所第2部における判決】

    主 文

1 控訴人の本件控訴に基づき、原判決主文3項を次のとおり変更する。

(1) 被控訴人は、控訴人に対し、2億1700万円を支払え。

(2) 控訴人の損害賠償請求のうち令和元年11月1日までに生ずべき損害賠償金の支払を求める部分のその余の請求及び「2ch.net」のドメイン名の使用の差止めを求める控訴人の請求をいずれも棄却する。

2 被控訴人の附帯控訴に基づき、原判決主文2項を取り消し、同項に係る控訴人の請求を棄却する。

3 訴訟費用(控訴費用、附帯控訴費用を含む。)は、第1、2審を通じてこれを10分し、その6を被控訴人の負担とし、その余を控訴人の負担とする。

 

第3 当裁判所の判断

 当裁判所は、控訴人の本件訴えのうち当審の口頭弁論終結の日の翌日である令和4年11月29日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分は不適法であるが、その余の本件損害賠償請求の一部については理由があり、また、控訴人の被告標章差止請求及び本件ドメイン差止請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は、前記第2の4の当審における当事者の補充主張に対する判断を含め、次のとおりである。

 ……平成18年5月12日発行の「2ちゃんねる公式ガイド2006」にも控訴人が本件電子掲示板の生みの親であることなどが記載されていたこと(同(2)カ、キ)のほか、その後も控訴人が平成18年当時本件電子掲示板の管理人であったことに沿う事実が認められること(同(2)ク~シ・セ・ト)を考慮すると、前記(1)で原判決の第3の4(3)を訂正の上で引用して認定したように「2ちゃんねる」の標章及び「2ch.net」の標章が周知性を獲得したというべき平成18年の時点において、その役務の提供の主体は、控訴人であったというべきである。

 イ() 他方で、本件全証拠をもってしても、平成18年の時点及びそれ以降平成26年3月27日(原告商標2の出願日)までのいずれかの時点において、「2ちゃんねる」の標章及び「2ch.net」の標章が、NTテクノロジー社又は被控訴人の業務に係る役務を表示するものとなったとみるべき事情は認められない。

 (この点、NTテクノロジー社については、本件電子掲示板のサーバを提供したこと(前記2(2)())や、PINKちゃんねるを開設し、2ちゃんねるビューアの販売及び運営を行うようになったこと(同(2)ウ)、平成14年頃以降、本件電子掲示板の広告料の売上げからの送金を受けていたほか、2ちゃんねるビューア「●」の売上げを取得していたこと(同(2)ウ・エ)、本件ドメイン名について平成17年5月10日時点でAが運営面に関する連絡先として登録されたりNTテクノロジー社が登録サービス提供者として登録されたりしていたこと(同(3)イ~カ)が認められる。

 しかし、サーバの提供者が直ちに当該サーバを用いた事業の運営者となるものではないことは明らかである。……

(3) まとめ

 以上によると、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人が被告標章について先使用権を有するものとは認められない。

……

第4 結論

 以上によると、控訴人の本件訴えのうち当審の口頭弁論終結日の翌日である令和4年11月29日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えは不適法であるから却下すべきであり、その余の本件損害賠償請求につき、2億1700万円の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余は理由がないから棄却すべきであり、また、控訴人の被告標章差止請求及び本件ドメイン差止請求には理由がないから棄却すべきところ、これと異なり、控訴人の被告標章差止請求を認容し、本件ドメイン差止請求を棄却し、控訴人の本件訴えのうち令和元年11月2日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えを却下し、その余の本件損害賠償請求を棄却した原判決は一部失当であって、控訴人の控訴は一部理由があり、被控訴人の附帯控訴は理由があることから、控訴人の控訴に基づき、原判決主文3項を上記のとおり変更し(なお、原判決主文1項については、被控訴人がその変更を求めていない本件において原判決を控訴人の不利益に変更することは許されないことから、原判決が令和元年11月2日から令和4年11月28日までに生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えを却下したところについては変更しない。)、また、被控訴人の附帯控訴に基づき、原判決主文2項を上記のとおり変更することとして、主文のとおり判決する。

宇高が、上記の本願商標の登録の依頼を受けたならば、

先行商標の調査を行い、登録5984053号商標「珠屋珈琲」の存在を知ったならば、

上記商標を、そのままの形態で、出願をする事は有り得ません。

どうしても出願して欲しいとの事であれば、出願しますが、知的財産高等裁判所まで持ち込んで争う事件ではないです。はっきり言って無駄遣いです。

出願するにしても、宇高ならば、上記商標の図形部分(○の中に「珠」と「TAMAYA」とが記された図形部分)だけにするとか、

「珠」の一部と「屋」の一部とを重ね合わせるとか、

漢字「珠」を別の漢字、例えば「玉」にする(出願人が株式会社珠屋ですから、是は有り得ない?)

と言った工夫を提案します。

そうしないと、商標登録は不可能です。

尤も、宇高は、指定商品がタオルにおいて、「XXXXタオル」と「XXXX」とは誤認混同が起き得ないとして、「XXXXタオル」を登録に持ち込みました。しかし、これは「百千万劫難遭遇」です。

宇高は、「プレミアム5」と「プレミアム」とは誤認混同が起き得ないとして、「プレミアム5」を登録に持ち込みました。しかし、これは、「プレミアム」は識別力が弱い(識別力が無い)と言う特殊性から、登録が認められたと考えております。

下記の判例『「珠屋」の文字部分は、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとまではいえないとしても、一定以上の自他役務識別力を有する部分といえる。』にも合致しております。

 令和7年(行ケ)第10010号 審決取消請求事件
主 文
1 原告の請求を棄却する。
事実及び理由
第1 請求
特許庁が不服2024-13830号事件について令和6年12月17日にした審決を取り消す。
第2 事案の概要
本件は、商標出願の拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は商標法4条1項11号該当性である。……

2 本件審決の理由の要旨
本願商標は、標準文字からなる「珠屋珈琲」と類似するから、商標法4条1項11号に該当する。
3 取消事由
商標の類否判断の誤りによる商標法4条1項11号該当性判断の誤り

第3 当事者の主張
(原告の主張)
1 引用商標の分離観察が許されないこと
(1) 「飲食物の提供」という役務の場合、需要者は、料理の内容、価格、料理人の経歴、原材料、店の雰囲気・立地、接客の良し悪し等、多くの要素を注意深く検討するものであって、屋号や店名に向けられる需要者の注意力は、一般の商品についての商標の場合よりも深く慎重なものとなる。

 これを引用商標についていえば、提供される料理名である「珈琲」を取り去って「タマヤ」と略称してしまうと、「珠屋珈琲」であれば看取することができたはずの店の印象や、店主が店名に込めたメッセージの一部が欠落してしまうことになるが、そのようなことはあり得ない。
(2) 「飲食物の提供」の役務においては、珈琲店以外であっても、提供される料理の普通名称を含めた屋号全体が看板に表示され、注文を受ける電話で屋号全体を名乗るのが普通であるから、需要者は、主に提供される飲食物の普通名称を含めた全体を一体不可分のものとして認識、記憶する。

2 引用商標の外観の認定の誤り
(1) 引用商標の外観は「珠屋珈琲」であり、需要者は直ちに漢字4文字からなる外観を知覚するのであって、いったん視認した外形から「珈琲」を取り去って「珠屋」をさらに視認することはあり得ない。
(2) 引用商標は、「珠屋珈琲」を同一の書体、大きさ、間隔で一連一体に表示するものであるから、外観上、常に一連一体のものとして認識、把握される。

3 引用商標の称呼の認定の誤り
(1) 前記1の取引の実情からみて、引用商標は、その全体構成により「タマヤコーヒー」の称呼のみが生じ、「タマヤ」と略称される可能性はない。
(2) 前記2の外観上の強い一体性からみて、引用商標からは、「タマヤコーヒー」という、冗長ではなく、無理なく一気一息に称呼し得る一連の称呼が生じる。

4 類否判断の誤り
以上のとおり、外観においては本願商標の「珠屋」と引用商標の「珠屋珈琲」を、称呼においては本願商標の「タマヤ」と引用商標の「タマヤコーヒー」をそれぞれ比較すべきであるから、いずれも明確に区別することができる。
観念において比較することができないことは、本件審決のとおりである。
したがって、本願商標と引用商標は類似しない。

第4 当裁判所の判断
1 取消事由(商標の類否判断の誤りによる商標法4条1項11号該当性判断の誤り)について
(1) 判断枠組み
商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に、その商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品又は役務に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかも、その商品又は役務に係る取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決(昭和39年(行ツ)第110号)民集22巻2号399頁参照)。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、みだりに分離観察すべきではないが、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えると認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合等、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められない場合には、その構成部分の一部を抽出し、その部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されると解すべきである(最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決(昭和37年(オ)第953号)民集17巻12号1621頁、最高裁平成5年9月10日第二小法廷判決(平成3年(行ツ)第103号)民集47巻7号5009頁、最高裁平成20年9月8日第二小法廷判決(平成19年(行ヒ)第223号)裁判集民事228号561頁参照)。

(2) 本願商標について
本願商標は、「珠屋」の漢字を大きく横書きし、その左側に、「珠」の漢字を白抜きで表した円の周囲に図案化された「TAMAYA」の欧文字を配置し、その外側を円で囲んでなる図形を表してなるものであり、これらの文字及び図形がいずれも茶系統の色で表されているものである。
そして、「珠屋」の文字部分と図形部分とは分離して配置されている上、「珠屋」の漢字が大きくはっきりと表されているのに対し、図形部分は全体が「珠屋」の文字部分の漢字一文字よりも小さく、その構成中の文字はさらに小さく表されているものである。
そうすると、本願商標の「珠屋」の文字部分は、本願商標に接する取引者、需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えると認められ、本願商標の要部に当たるというべきである。
称呼については、本願商標の要部である「珠屋」の文字部分からは「タマヤ」の称呼が生じ、図形部分からも「タマヤ」の称呼が生じ得る。
観念については、「珠屋」は辞書類に掲載されている成語ではなく、何らかの屋号等の固有名称であると抽象的に観念し得るとしても、特定の観念が生じるとはいえない。

(3) 引用商標について
ア 「珈琲」の文字部分について
引用商標の構成中、「珈琲」の文字部分は、一般消費者に慣れ親しまれ、日常的に摂取されている飲料である「コーヒー」の漢字表記である(乙4)。
そして、引用商標の指定役務中、「飲食物の提供」の役務を提供する業界にあっては、飲食店の名称に主として提供する飲食物の名称である「ステーキ」「ピザ」「ラーメン」等の語を含めたものとする例は多く(乙5~10)、「コーヒーを主とする飲食物の提供」の役務を提供する業界にあっても、例えば「椿屋珈琲」「寿屋珈琲」などのように、「○○珈琲」との構成からなる文字をもって飲食店の名称とする例が多数あると認められ(乙11~31)、広く一般に定着しているといえる。

そうすると、引用商標の「珈琲」の文字部分は、引用商標の指定役務中「コーヒーを主とする飲食物の提供、飲食物の提供」との関係では、その役務において主として提供される飲食物が「コーヒー」であること、すなわち、役務の内容を表示したものと認識させるにとどまるものといえ、出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる。

イ 「珠屋」の文字部分について
引用商標の構成中、「珠屋」の文字部分は、本願商標の「珠屋」の文字部分と同じく、辞書類に掲載されている成語ではなく、何らかの屋号等の固有名称であると抽象的に観念し得るとしても、特定の観念が生じるとはいえない。
そうすると、「珠屋」の文字部分は、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとまではいえないとしても、一定以上の自他役務識別力を有する部分といえる。
また、一般に簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、商標の一部だけによって簡略に称呼、観念されることもしばしばある。「コーヒーを主とする飲食物の提供」の役務を提供する業界においても、例えば「椿屋珈琲」についてのグルメ情報記事(乙11)、「猿田彦珈琲」及び「千成屋珈琲」についての各新聞記事(乙20、23)において、それぞれ「椿屋」「猿田彦」「千成屋」とも記述されているとおり、「珈琲」以外の部分が自他役務識別力を有するような場合には、当該部分のみによって称呼、観念されることがあると認められる。

ウ 分離観察の可否
以上を踏まえると、引用商標「珠屋珈琲」は、「珈琲」の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないのに対し、「珠屋」の部分は一定以上の自他役務識別力を有し、前記の取引の実情をも考慮すると、「珠屋珈琲」が標準文字の漢字4文字からなるひとまとまりの外観を有し、「タマヤコーヒー」の称呼が無理なく一気一息に称呼し得るとしても、分離観察をすることが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとは認められないから、「珠屋」の部分を抽出し、その部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
……

(7) 結論
したがって、本願商標は、商標法4条1項11号に該当するから、本件審決の判断に誤りはない。

                 知的財産高等裁判所第2部

 11月22日(土曜日)は強風故に登山指数がCでしたが、23日(日曜日)は登山指数がAでしたので、23日に初冬の那須岳に登って来ました。アイゼンを持って来るのを忘れていた為、登る時は然程の苦労はなかったのですが、下る時は注意が必要でした。

  皆様は下記二つの商標が似ているか似ていないのどちらにお感じになられますか?

 特許庁は、大きな文字で目立つ「けやき」と「KEYAKI」とが、共に、称呼が「ケヤキ」である為、両者が類似と判断しましたが…

 さて、飲食物の提供の分野では「けやき」がありふれた店舗名である事を主張した出願人の勝利です。
 すなわち、「けやき」「KEYAKI」は類否に大きな影響力はないと判断されました。
 

令和7年(行ケ)第10050号 審決取消請求事件

主文

1 特許庁が不服2024-5348号事件について令和7年3月25日にした審決を取り消す。

第4 当裁判所の判断

1 取消事由(商標法4条1項11号に関する認定判断の誤り)について

(1) 商標法4条1項11号における商標の類否判断の基準商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品又は役務に使用された場合に、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、その判断に当たっては、そのような商品又は役務に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、その商品又は役務の取引の実情を明らかにしうる限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。

また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されない。ただし、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合、商標の外観等に照らし、商標全体としての構成上の一体性が希薄で、取引者、需要者がこれを分離して理解・把握し、当該構成部分が独立した出所識別標識としての機能を果たすと考えられる場合など、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない場合には、その構成部分の一部を抽出し、当該部分を他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである(最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。

そして、上記のとおり、商標の構成部分の一部を抽出して当該部分を他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許される場合においても、分離して観察される部分の出所識別標識としての機能には自ずと強弱があるのであるから、一律に当該部分だけに着目して商標の類否を判断するのは相当でなく、当該部分の出所識別標識としての機能が弱い場合においては、他人の商標と外観、称呼及び観念の全てが一致しているときは格別、そうでないときには、他の構成部分も考慮した上で、対比される両商標が、全体として、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かを判断するのが相当である。

(2) 本願商標及び引用商標の構成について

……これに対し、「KEYAKI BEEF TONGUE」部分の文字及び本願図形部分2の「欅」の文字部分は、取引者、需要者が注意深く観察しなければ読み取ることが困難である。そうすると、本願文字部分のうち上段「牛たん」部分及び中段「けやき」部分は、下段「KEYAKI BEEF TONGUE」部分及び本願図形部分2から独立して見る者の注意をひくように構成されているということができ、両者の構成上の一体性は希薄で、取引者、需要者は、これを分離して理解・把握すると認められる。

 さらに、「牛たん」の文字部分と「けやき」の文字部分は、二段に配され、「けやき」は、「牛たん」に比して大きめの文字で表記されているため、両者の構成上の一体性は希薄で、取引者、需要者は、「けやき」の文字部分を分離して理解・把握するといえる。

 そして、「けやき」の文字部分は、ニレの落葉高木であるケヤキ(以下「本件樹木」という。)の名称として知られるものあり(甲7)、本願商標の指定役務である「飲食物の提供」との関係において、出所識別標識としての機能を一定程度有しているから、同構成部分が独立した出所識別標識としての機能を果たすと考えられ、これを本願商標の要部として、当該部分を引用商標と比較して商標の類否を判断することも許される。一方、「KEYAKI BEEF TONGUE」の文字部分及び本件図形部分2の「欅」の文字部分は、上記のとおり、取引者、需要者が、注意深く観察しなければ読み取ることが困難であるから、独立した出所識別標識としての機能を果たすとはいえず、本願商標の要部にはなり得ない。

……引用商標のうち、引用文字部分と、引用図形部分とは、視覚上、上下に重なることなく配置されていることに加え、上側の引用図形部分は図形、下側の引用文字部分は文字であるから、商標全体としての構成上の一体性が希薄で、取引者、需要者は両者を分離して理解・把握すると認められる。

 また、引用文字部分のうち、「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分は、「JAPANESE」「CUISINE」の文字部分に比して、顕著に大きく、明瞭に識別することができるように表示されている。

 これに対し、「JAPANESE」「CUISINE」の文字は、取引者、需要者が注意深く観察しなければ読み取ることが困難である。そうすると、引用文字部分のうち「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分は、「JAPANESE」「CUISINE」の文字部分から独立して見る者の注意をひくように構成されているということができ、両者の構成上の一体性は希薄で、取引者、需要者はこれを分離して理解・把握すると認められる。

 加えて、「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分は、前記アで述べたとおり、本件樹木の名称として知られるものであり、引用商標の指定役務である「飲食物の提供」との関係において、出所識別標識としての機能を一定程度有しているから、同構成部分が独立した出所識別標識としての機能を果たすと考えられ、これを引用商標の要部として、当該部分を本願商標と比較して商標の類否を判断することも許される。

(4) 本願商標と引用商標の類否

……本願商標の「けやき」との文字部分は、前記(3)アで述べたとおり、出所識別標識としての機能を一定程度有しているといえる。一方、証拠(甲10~12)によれば、全国の飲食店が掲載されている飲食店検索サイトにおいて、キーワード「けやき」で検索した場合には2648件、キーワード「ケヤキ」で検索した場合には289件の飲食店が該当すると認められ、全国において、本件樹木の名称を指す店名(「欅」「けや木」「KEYAKI」等)を付した飲食店は相当数存在することが認められる。そうすると、本件樹木の名称は、飲食店の店名に比較的よく使用されるものとして、取引者、需要者に知られているものと推認されるから、指定役務である「飲食物の提供」との関係において、「けやき」の文字部分の出所識別標識としての機能は弱いものと言わざるを得ない。

 そして、本願商標の「けやき」の文字は、線同士が交差する部分の一部に空白を設けた特徴のあるデザインのひらがな3文字で構成されるのに対し、引用商標の要部である「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分は、欧文字6文字及び筆書き風の漢字1文字で構成されており、両者は構成する文字数、文字の種類及びデザインが異なるから、外観において明らかに相違する。

 したがって、本願商標と引用商標の類否を判断するに当たっては、本願商標の「けやき」の文字部分以外の構成部分も考慮した上で、本願商標と引用商標が、全体として、商品又は役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かを検討する必要がある。

イ 本願商標の「けやき」の文字部分と、引用商標の「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分の外観が相違することは、上記ア()で述べたとおりである。

 次に、本願商標の「けやき」の文字部分からは、「ケヤキ」の称呼を生じるのに対し、引用商標の「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分からも、「ケヤキ」の称呼を生じ、称呼においては、いずれも同一である。ただし、本願商標の他の構成部分である「牛たん」の文字部分も勘案すれば、本願商標からは、「ケヤキ」のほか、「ギュウタンケヤキ」との称呼も生じ、この称呼については、「ギュウタン」との音の有無によって引用商標とは語感が異なるから、称呼において相違するといえる。

 さらに、本願商標の「けやき」の文字部分並びに引用商標の「KEYAKI」の文字部分及び「けやきの漢字」部分からは、いずれも本件樹木の観念を生じる。ただし、本願商標の他の構成部分である「牛たん」との文字部分も勘案すれば、本件樹木のほか、「牛たんを提供するけやきという名称の飲食店」との観念も生じ、この観念については、引用商標と相違する。

ウ 以上を踏まえて、本件商標と引用商標の類否について検討するに、 本願商標と引用商標は、外観において異なることに加え、本願商標から生じる2つの称呼及び観念のうち一方は、引用商標と異なる。これらを総合すると、取引者、需要者の認識において、時と所を異にして離隔的に観察した場合、本願商標と引用商標とは互いに紛れるおそれのある類似の商標であるとは認められない。

(5) 小括

 以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標ではなく、商標法4条1項11号に該当しないから、本件審決には取消事由がある。

           知的財産高等裁判所第4部

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商標「2ちゃんねる」訴訟

 東京地裁の判決と知財高裁の判決とは、証拠資料を同じくするも、結果は真逆です。

 訴訟では、原告と被告との間での戦いですが、ターゲットは裁判官です。

 裁判官をより納得させる論理を構築した者が勝訴です。

 

 上記商標の商標権者である原告が、被告が電子掲示板に「2ちゃんねる」「2ch.net」の表示をする事は上記各商標権を侵害すると主張して、商標法第36条第1項又は不正競争防止法第3条第1項に基づき、被告標章の使用の差止め、及び商標権侵害につき民法709条,不正競争行為につき不正競争防止法第4条に基づき損害賠償1億7500万円及び平成29年1月19日から被告標章の使用を中止するまで月額500万円の割合による金員の支払を求めた事案です。

 

 一審・東京地裁の判決が

「1 本件訴えのうち,令和元年11月2日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えを却下する。

 2 被告は,その運営する掲示板に,別紙被告標章目録記載の各標章を使用してはならない。

 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。」

であったのに対して、

 二審・知財高裁の判決は

「1 控訴人の本件控訴に基づき、原判決主文3項を次のとおり変更する。

  (1) 被控訴人は、控訴人に対し、2億1700万円を支払え。

  (2) 控訴人の損害賠償請求のうち令和元年11月1日までに生ずべき損害賠償金の支払を求める部分のその余の請求及び「2ch.net」のドメイン名の使用の差止めを求める控訴人の請求をいずれも棄却する。

 2 被控訴人の附帯控訴に基づき、原判決主文2項を取り消し、同項に係る控訴人の請求を棄却する。」

でした。

 

 

平成29年(ワ)第3428号 商標権侵害差止等請求事件

 【東京地方裁判所民事第46部における判決】

    主 文

1 本件訴えのうち,令和元年11月2日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えを却下する。

2 被告は,その運営する掲示板に,別紙被告標章目録記載の各標章を使用してはならない。

3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。

 

(2) 争点1-2(被告は被告標章について先使用権を有するか)について

  (被告の主張)

  被告は,平成16年から平成29年9月30日まで,継続して本件電子掲示板を管理・運営し,不正競争の目的によることなく,原告による原告商標の出願日以前から被告標章を使用していた。

 また,本件電子掲示板の事業において,被告標章は,原告商標の出願以前から需要者の間に広く認識されており,周知であった。

 したがって,被告には,被告標章1及び2につき先使用権が認められる。

  (原告の主張)

 平成11年以降平成26年2月19日まで,本件電子掲示板を運営していたのは原告である。上記期間,原告は,被告に対し,本件電子掲示板のサーバのID・パスワードの管理と本件ドメイン名の管理を委託していたにすぎない。本件電子掲示板を平成16年から運営している旨の被告の主張は,本件電子掲示板の運営主体という極めて基本的事項について主張が変遷しており,信用できない。

 また,原告商標1及び2の出願当時において,被告標章1及び2が被告の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていなかったことは明らかである。

 さらに,被告は,平成26年2月19日に原告が本件電子掲示板のサーバにアクセスできないようにして本件電子掲示板を乗っ取ったのであるから,「不正競争の目的」(商標法32条1項前段)が認められる。

 したがって,被告には,被告標章1及び2につき先使用権は認められない。

 

第3 当裁判所の判断

 ……

 争点1-2(被告は被告標章について先使用権を有するか)について

 被告は,原告商標の出願日の前から,被告標章を使用して本件電子掲示板を管理・運営していたとし,被告標章につき先使用権を有する旨主張する。

 前提事実2⑷及び前記2のとおり,原告商標1及び2の指定役務と本件電子掲示板の役務は同一であり,被告標章は原告商標と,それぞれ同一又は類似する。

 前記認定事実によれば,本件電子掲示板は,①平成11年に開設され,平成12年に西鉄バスジャック事件の犯人とされる少年が同掲示板に犯行予告を書き込むなどの出来事もあって社会的に注目を集めるようになり,平成14年頃には利用者が急激に増加し(前記2⑵ア,ウ,エ),②平成16年及び平成17年には本件電子掲示板に掲載された投稿をほぼそのまま出版した「電車男」が話題となり,インターネットに係る複数の賞を受賞し,これがネットニュースで報道され(前記2⑵カ),③平成18年頃には,本件電子掲示板の名称である「2ちゃんねる」という言葉がマスコミにおいて頻繁に登場したり,本件電子掲示板内において使用される用語が一般の雑誌においても使われたり,電子掲示板を利用しない一般人の間でも本件電子掲示板が話題に上ったりするようになった(前記2⑵キ)。

 これらによれば,本件電子掲示板のトップページ等に表示されていた被告標章1及び2は,遅くとも,平成18年には,本件電子掲示板に係る役務を表示するものとして,全国の需要者の間に広く認識されるに至ったと認めることができる。そして,平成25年3月当時,本件電子掲示板の月間の閲覧数が29億にのぼるとして「日本語圏最大級のネットコミュニティ」などと宣伝されていたことに照らせば(前記2⑵ス),原告商標が出願された日においても,上記周知性が維持,継続していたものと認められる。

 ……

 以上によれば,被告は,被告標章につき先使用権を有すると認められ,平成26年2月19日から,被告が継続して本件電子掲示板を運営していた平成29年9月30日までの期間については(前記前提事実⑸),被告による被告標章の使用は,同先使用権に基づくものとして原告商を侵害しない。

 また,前記2⑵ツによれば,本件電子掲示板は,平成29年10月1日から平成30年4月までの間に Loki 社が運営するようになり,名称は「5ちゃんねる」と,ドメイン名は「https://5ch.net」と変更され,トップページ等における被告標章の表示も削除されたことが認められる。そうすると,平成29年10月1日以降,被告が本件電子掲示板を運営し,被告標章の使用を継続していた期間については,その使用は先使用権に基づくものとして原告商標を侵害しないといえ,Loki 社が運営を開始して以降は,被告が被告標章を本件電子掲示板のトップページ等に表示して使用した事実は認められない。

 したがって,原告の商標権に基づく損害賠償請求には理由がない。なお,

原告商標1及び2に基づく差止めの必要性については,後記6のとおりであ

る。

……

8 結論

 よって,本件訴えのうち令和元年11月2日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えは不適法であるから却下し,商標権に基づく被告標章の差止請求には理由があるからこれを認容し,その余の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,仮執行宣言は相当でないのでこれを付さないこととして,主文のとおり判決する。

 

 

令和2年(ネ)第10009号、同年(ネ)第10037号 商標権侵害差止等請求控訴事件、同附帯控訴事件(原審・東京地方裁判所平成29年(ワ)第3428号)

 【知的財産高等裁判所第2部における判決】

    主 文

1 控訴人の本件控訴に基づき、原判決主文3項を次のとおり変更する。

(1) 被控訴人は、控訴人に対し、2億1700万円を支払え。

(2) 控訴人の損害賠償請求のうち令和元年11月1日までに生ずべき損害賠償金の支払を求める部分のその余の請求及び「2ch.net」のドメイン名の使用の差止めを求める控訴人の請求をいずれも棄却する。

2 被控訴人の附帯控訴に基づき、原判決主文2項を取り消し、同項に係る控訴人の請求を棄却する。

3 訴訟費用(控訴費用、附帯控訴費用を含む。)は、第1、2審を通じてこれを10分し、その6を被控訴人の負担とし、その余を控訴人の負担とする。

 

第3 当裁判所の判断

 当裁判所は、控訴人の本件訴えのうち当審の口頭弁論終結の日の翌日である令和4年11月29日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分は不適法であるが、その余の本件損害賠償請求の一部については理由があり、また、控訴人の被告標章差止請求及び本件ドメイン差止請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は、前記第2の4の当審における当事者の補充主張に対する判断を含め、次のとおりである。

 ……平成18年5月12日発行の「2ちゃんねる公式ガイド2006」にも控訴人が本件電子掲示板の生みの親であることなどが記載されていたこと(同(2)カ、キ)のほか、その後も控訴人が平成18年当時本件電子掲示板の管理人であったことに沿う事実が認められること(同(2)ク~シ・セ・ト)を考慮すると、前記(1)で原判決の第3の4(3)を訂正の上で引用して認定したように「2ちゃんねる」の標章及び「2ch.net」の標章が周知性を獲得したというべき平成18年の時点において、その役務の提供の主体は、控訴人であったというべきである。

 イ() 他方で、本件全証拠をもってしても、平成18年の時点及びそれ以降平成26年3月27日(原告商標2の出願日)までのいずれかの時点において、「2ちゃんねる」の標章及び「2ch.net」の標章が、NTテクノロジー社又は被控訴人の業務に係る役務を表示するものとなったとみるべき事情は認められない。

 () この点、NTテクノロジー社については、本件電子掲示板のサーバを提供したこと(前記2(2)())や、PINKちゃんねるを開設し、2ちゃんねるビューアの販売及び運営を行うようになったこと(同(2)ウ)、平成14年頃以降、本件電子掲示板の広告料の売上げからの送金を受けていたほか、2ちゃんねるビューア「●」の売上げを取得していたこと(同(2)ウ・エ)、本件ドメイン名について平成17年5月10日時点でAが運営面に関する連絡先として登録されたりNTテクノロジー社が登録サービス提供者として登録されたりしていたこと(同(3)イ~カ)が認められる。

 しかし、サーバの提供者が直ちに当該サーバを用いた事業の運営者となるものではないことは明らかである。……

(3) まとめ

 以上によると、その余の点について判断するまでもなく、被控訴人が被告標章について先使用権を有するものとは認められない。

……

第4 結論

 以上によると、控訴人の本件訴えのうち当審の口頭弁論終結日の翌日である令和4年11月29日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えは不適法であるから却下すべきであり、その余の本件損害賠償請求につき、2億1700万円の支払を求める限度で理由があるから認容し、その余は理由がないから棄却すべきであり、また、控訴人の被告標章差止請求及び本件ドメイン差止請求には理由がないから棄却すべきところ、これと異なり、控訴人の被告標章差止請求を認容し、本件ドメイン差止請求を棄却し、控訴人の本件訴えのうち令和元年11月2日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えを却下し、その余の本件損害賠償請求を棄却した原判決は一部失当であって、控訴人の控訴は一部理由があり、被控訴人の附帯控訴は理由があることから、控訴人の控訴に基づき、原判決主文3項を上記のとおり変更し(なお、原判決主文1項については、被控訴人がその変更を求めていない本件において原判決を控訴人の不利益に変更することは許されないことから、原判決が令和元年11月2日から令和4年11月28日までに生ずべき損害賠償金の支払を求める部分に係る訴えを却下したところについては変更しない。)、また、被控訴人の附帯控訴に基づき、原判決主文2項を上記のとおり変更することとして、主文のとおり判決する。

 veni-vidi-vici(来た、見た、勝った)】

役に立つ特許は当たり前じゃあないかと謂われる発明】

 下記の事例は斯の程度の発明でも特許出願したフィリップモリス社の知恵の賜物と宇高は考えてます。

 フィリップモリス社が所有する加熱式タバコの特許第6125008号の権利は下記の内容です。

【請求項1】
 
エアロゾル発生装置におけるエアロゾルの発生を制御する方法であって、前記装置は、

  エアロゾル形成体を含むエアロゾル形成基材を加熱するように構成された少なくとも1つの加熱要素を含むヒータと、
 前記加熱要素に電力を供給するための電源と、
を備え、

 前記方法は、
  前記加熱要素に供給される前記電力を、前記装置を動作させた直後の第1段階において前記加熱要素の温度が初期温度から第1の温度に上昇するように電力が前記少なくとも1つの加熱要素に供給され、第2段階において前記加熱要素の温度が前記第1の温度よりも低い第2の温度に低下するが、前記エアロゾル形成体の揮発温度より低くならないように電力が供給され、第3段階において前記加熱要素の温度が前記第2の温度より高い第3の温度に上昇するように電力が供給されるよう制御するステップを含む、
ことを特徴とする方法。

 要約すると、
  タバコ吸い始め開始時は、加熱温度を急激に高くし、
  タバコが吸えるようになると加熱温度を低くし、
  終わり近くになると加熱温度を再度高くするものです。

 これは当然です。

 早く吸いたいから、加熱温度を高くして揮発成分を速やかに揮発させます。

 吸えるようになると、そのままの高い温度だと、揮発成分が短時間で揮発して無くなってしまうので、長時間に亘って吸う為には、加熱温度を下げる必要が有ります。下げても予熱されているから揮発成分は揮発します。

 吸い終わり近くになると、揮発成分が少なくなっているので、加熱温度を高くして、強制的に全てを揮発させます。

 こうすると、効率よく、かつ、無駄なくタバコが吸えるようになります。

  是は当たり前の技術と言えば当たり前です。

  この程度で特許?と言いたくなるのは当然でしょう。

 ライバル会社は特許無効を請求して争いましたが負けました。

 フィリップモリス社は東京地裁に訴えを提起(令和2年(ワ)第4331号特許権侵害行為差止請求事件および令和2年(ワ)第4332号特許権侵害行為差止請求事件)しました。

 一審で負けた被告は知財高裁に控訴(令和3年(ネ)第10072号特許権侵害行為差止請求控訴事件、令和4年(ネ)第10073号および同年(ネ)第10096号特許権侵害行為差止請求控訴事件)しました。

 最終的に、令和4年5月13日、令和5年3月23日判決言渡で、控訴審でも、フィリップモリス社の勝訴です。

 

 フィリップモリス社のMarlbroMan Always Remember Love Because Of Romance Over)の箱にはモットーveni-vidi-vici(来た、見た、勝った):ポントスに勝利した際に、カエサルがローマ元老院に送った際の報告」が表示されております。今回の事件もモットー通りだったようです。

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